2021.8.12 わきゃあ島の誇り 世界自然遺産登録の実現!

       わきゃあ島の誇り 世界自然遺産登録の実現! 


奄美に住む人々、奄美出身で首都圏に住む人々が強く望んでいた世界自然遺産登録が実現しました。東京奄美会の会員を代表しまして、心からお喜びを申し上げます。

 奄美の出身者が集まるときに、必ず出る話題が故郷の美しい風景です。もとより、世界自然遺産登録は、世界で奄美にしかいない稀少動物の存在などが重要な条件の一つではありますが、根底に風景の良いことが前提であると申してもよろしいでしょう。奄美の自然の素晴らしさを世界が認めてくれましたことは、誠に誇らしいことであり、今後は枕詞に世界自然遺産をつけることができるわけで期待がふくらみます。

 すでに登録されている屋久島では、登録後、「地域の人々が地域の自然を誇りに思うようになった」、「子供たちが大阪や東京に出てもまた帰ってくるようになった」とのことです。

 この登録の実現には、奄美に住む人々が、自分たちの自然を大事に守ってきたからであります。世界自然遺産の登録の目的は、後世に貴重な自然を遺産として残すことが目的の一つであります。奄美では自然を守るだけではなく自然を生かしてきました。例えば、非常時の「なりがゆ」、また、奄美の土の性質を最大限に引き出した大島紬などです。

 これらの生活習慣が自然を大事にしてきたのです。昨今、「持続可能な開発目標(SDGs)」という語がよくつかわれますが、奄美では、すでに、持続可能な開発が行われてきました。SDGsの目標の中に、「海と陸の豊かさを守ろう」というのがありますが、正に奄美では海と陸を大事にしてきたのですから。

 世界遺産には自然・文化・複合の3種があります。「奄美・沖縄の価値はそれだけ(自然)ではなくて、食文化や染めもの、お祭りなど、無形文化遺産も含めたいろんな価値がある。奄美の遺産の価値をぜひもう一度見直していくことが大事」といわれています。

 観光地として脚光を帯びることは間違いなく、多勢の観光客が来島することになりますが、観光客には世界自然遺産の意味をしっかりと理解してほしいと思います。

 最後に、登録へ向けて、ご努力いただきました関係各位に心より謝意を表します。

世界の自然遺産として存続させるためには、観光客の制限・希少種の交通事故対策・河川再生策・森林伐採の管理などの課題がありますが、奄美の英知を結集して、乗り切れると信じています。 

                         2021年8月12日

                                       東京奄美会会長 大江 修造